カスタマージャーニーマップを作成するには、以下の手順を参考にしてください。

【ステップ1:ペルソナの作成】
まずは、商品やサービスを利用する顧客の特徴を分析し、ペルソナを作成します。ペルソナは、顧客の属性や行動、ライフスタイルなどをもとに、想定される顧客像を具体的にイメージしたものです。

【ステップ2:フェーズの設定】
次に、顧客が商品やサービスを購入するまでに通過するフェーズを設定します。例えば、以下のようなフェーズが考えられます。

・認知フェーズ:商品やサービスを知るフェーズ
・検討フェーズ:商品やサービスを比較するフェーズ
・購入フェーズ:商品やサービスを購入するフェーズ
・利用フェーズ:商品やサービスを実際に利用するフェーズ
・フォローアップフェーズ:利用後のフィードバックを受けるフェーズ

【ステップ3:縦軸の設定】
縦軸は、顧客の感情や行動、期待などを分析するための軸となります。先程紹介したような軸から、顧客にとって重要なものを選定し、縦軸を設定します。

【ステップ4:プロセスの分析】
それぞれのフェーズにおいて、顧客がどのような行動や感情を持っているかを分析します。調査結果や顧客からのフィードバック、顧客のインタビューなどをもとに、顧客が商品やサービスを利用する過程を理解します。

【ステップ5:マップの作成】
設定したフェーズと縦軸を組み合わせて、カスタマージャーニーマップを作成します。それぞれのフェーズにおいて、縦軸に沿って顧客の感情や行動、期待などを表現し、顧客が商品やサービスを購入するまでの過程を可視化します。

カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の視点に立ったマーケティング施策を展開することができます。

ペルソナを設定する

カスタマージャーニーマップにおいて、ペルソナは非常に重要な要素の一つであり、複数のペルソナを設定することで、顧客の多様なニーズや行動パターンを把握することができます。一般的に、カスタマージャーニーマップでは、以下のような7つのペルソナが設定されることが多いです。

ライトユーザー
商品やサービスを知っているが、まだ利用したことがないユーザー。
新規ユーザー
商品やサービスを利用し始めたばかりのユーザー。
リピートユーザー
商品やサービスを何度も利用しているユーザー。
満足ユーザー
商品やサービスに満足しているユーザー。
不満ユーザー
商品やサービスに不満を持っているユーザー。
離反ユーザー
商品やサービスを利用しなくなったユーザー。
アンバサダー
商品やサービスを積極的に紹介し、広めているユーザー。
これらのペルソナを設定することで、それぞれのユーザーが商品やサービスに対してどのような行動をとり、どのような感情を抱いているのかを把握することができます。そして、その情報をもとに、マーケティング施策や商品・サービスの改善に活用することができます。

ただし、7つのペルソナを全て設定する必要はありません。企業の特性や業種によっては、必要なペルソナが異なる場合もあります。また、ペルソナを設定する際には、顧客の行動や感情を正確に把握するために、十分な調査や分析が必要です。

フェーズを設定する

カスタマージャーニーマップにおけるフェーズは、顧客が商品やサービスを知るまでの段階から、利用を継続するまでの段階までを時系列的に分けたものです。通常、以下のように5つのフェーズが設定されます。

意識
商品やサービスを知る前の段階。顧客が商品やサービスの存在を知らない状態にある。
考慮
商品やサービスに興味を持ち始める段階。顧客が商品やサービスについて調べたり、比較検討をしたりする。
購入
商品やサービスを実際に購入する段階。顧客が商品やサービスに対して決定を下す。
利用
商品やサービスを実際に利用する段階。顧客が商品やサービスを使っている。
ロイヤルティ
商品やサービスに対して長期的な愛着を持つ段階。顧客が商品やサービスに忠誠心を持ち、継続的に利用する。
これらのフェーズは、顧客の購買行動や感情を把握するための枠組みとなります。例えば、意識フェーズでは広告やキャンペーンを通じて商品やサービスを知ってもらい、購入フェーズでは購入決定を促す情報を提供する、利用フェーズでは顧客の使い勝手を改善するためのアフターサポートを提供する、などの施策を実施することで、顧客を商品やサービスに繋ぎ止め、長期的な関係性を構築することができます。

ただし、フェーズの設定は必ずしも上記のように5つに限定されるわけではなく、業界や商品・サービスによっては、より細分化したフェーズが設定される場合もあります。また、フェーズの名称も企業ごとに異なる場合があります。フェーズの設定にあたっては、自社の商品やサービスに最も適したフェーズを設定し、顧客の行動や感情をより詳細に分析することが重要です。

ペルソナの行動を整理する

カスタマージャーニーマップにおいて、ペルソナの行動を検討・整理することは、顧客がどのような感情を抱いているかや、どのような行動をとるかを把握するために重要な作業です。以下では、その手順について説明します。

ペルソナの特徴を明確にする
ペルソナごとに、性別、年齢、職業、家族構成、趣味嗜好など、その人物像に関する情報を整理し、特徴を明確にします。これにより、顧客が抱える問題やニーズを理解することができます。

ペルソナが抱える課題を洗い出す
ペルソナが商品やサービスを利用する際に、どのような課題を抱えるのかを洗い出します。例えば、商品が高価すぎる、使い方が難しい、サービスの品質が低い、などの課題が挙げられます。

ペルソナの感情を整理する
ペルソナが商品やサービスについてどのような感情を抱いているかを整理します。例えば、興味を持っている、不安を感じている、満足している、失望している、などの感情があります。

ペルソナの行動を整理する
ペルソナが商品やサービスを利用する際に、どのような行動をとるのかを整理します。例えば、サイトを訪問する、商品を検索する、レビューを参考にする、コールセンターに問い合わせる、などの行動があります。

ペルソナの行動と感情を関連づける
最後に、ペルソナがどのような行動をとると、どのような感情を抱くのかを関連づけます。これにより、どのような施策を実施することで、顧客のニーズを満たし、満足度を高めることができるかを考えることができます。

ペルソナの行動を検討・整理することで、顧客が抱える問題やニーズを正確に把握し、それに対応するための施策を実施することができます

感情・思考を明らかにする

カスタマージャーニーマップにおいて、ペルソナが商品やサービスを利用する際に抱く感情や思考を洗い出すことは、顧客のニーズや課題を理解する上で重要な作業です。以下では、その手順について説明します。

ペルソナが抱く感情を洗い出す
ペルソナが商品やサービスについて抱く感情を洗い出します。例えば、興味を持っている、期待している、不安を感じている、イライラしている、などの感情があります。これらの感情を把握することで、顧客が商品やサービスにどのような期待や要望を持っているのかを理解することができます。

ペルソナが抱く思考を洗い出す
ペルソナが商品やサービスについて抱く思考を洗い出します。例えば、価格が高すぎる、使い方が分からない、選択肢が多すぎる、などの思考があります。これらの思考を把握することで、顧客が商品やサービスにどのような問題や課題を抱えているのかを理解することができます。

感情と思考を関連づける
最後に、ペルソナが商品やサービスについて抱く感情と思考を関連づけます。例えば、「価格が高い」という思考と、「不満」という感情を関連づけることができます。これにより、どのような施策を実施することで、顧客の問題や課題を解決し、満足度を高めることができるかを考えることができます。

感情や思考を洗い出すことで、顧客のニーズや課題を理解することができます。そして、それに対応するための施策を実施することで、顧客満足度を高め、顧客ロイヤルティを向上させることができます。また、施策の効果を把握するためにも、感情や思考を定量化することが重要です。

施策や課題を明らかにする

カスタマージャーニーマップは、ペルソナが商品やサービスを利用する過程を時系列で整理し、顧客のニーズや課題を把握するためのツールです。以下では、カスタマージャーニーマップを活用して課題や施策を洗
洗い出した課題を分類し、類似した課題をまとめます。例えば、「商品の使い方が分からない」という課題と、「注文が複雑すぎる」という課題は、どちらもユーザーがサービスを正しく利用できていないという点で共通しています。このように課題をまとめることで、課題の本質を把握することができます。

施策の検討
洗い出した課題に対する施策を検討します。例えば、「商品の使い方が分からない」という課題に対しては、商品の説明書を改善する、商品の使い方を動画で説明する、などの施策が考えられます。また、「注文が複雑すぎる」という課題に対しては、注文フォームのシンプル化や注文手順の簡素化など、注文プロセスの見直しを行うことが考えられます。

課題や施策を洗い出すことで、顧客のニーズや課題を把握し、それに合わせた改善施策を検討することができます。また、カスタマージャーニーマップは、顧客との接点を改善することにも役立ちます。

カスタマージャーニーマップに仕上げる

カスタマージャーニーマップを作成する際には、ペルソナの行動や感情、課題、施策を洗い出し、フェーズごとに整理することが重要です。しかし、それだけでなく、マップをよりわかりやすく、魅力的に仕上げることも大切です。

以下に、カスタマージャーニーマップを仕上げるためのポイントをいくつか紹介します。

デザインにこだわる
カスタマージャーニーマップは、グラフやチャートで表現されることが多いですが、見やすく分かりやすいデザインを心がけることが大切です。例えば、カラフルな色使いや、アイコンを用いることで、マップが視覚的に魅力的になります。

ストーリーテリングを取り入れる
カスタマージャーニーマップは、ペルソナが経験するストーリーを表現することが目的のひとつです。そこで、ストーリーテリングの要素を取り入れることで、マップに説得力を持たせることができます。例えば、フェーズごとにストーリーをつなげることで、ペルソナの物語をよりリアルに表現することができます。

視覚的に説明する
カスタマージャーニーマップは、複雑な情報を表現することが多いため、ペルソナが直面している課題や、施策の提案などを視覚的に説明することが重要です。例えば、グラフやチャートで数値を表現したり、アイコンを用いて施策を具体的に表現したりすることで、わかりやすく伝えることができます。

チームで共有する
カスタマージャーニーマップは、マーケティング部門だけでなく、企画や開発の部署でも共有することが重要です。マップをチームで共有することで、それぞれの部署がペルソナに対してどのような施策を立てるかを協力しやすくなります。また、チームで共有することで、マップがより改善される可能性も高まります。